日常の動作や姿勢というのは長い間の習慣になっていますから、これを改めるにはかなりの努力が必要です。一時的には気をつけていても、いつのまにか、腰に負担をかけるようなことをして腰椎椎間板ヘルニアを発症したり腰痛を再発するということがよくあります。
腰椎椎間板ヘルニアにならないために、あるいは腰痛を再発しないために、以下のことに日頃から気をつけてださい。特に、「前かがみの姿勢」は腰に最も負担をかけます。作業の時には次のような工夫をすると良いそうです。
●荷物の持ち上げの際は前かがみにならず、一旦腰を落として下半身のカを使う。
物を持ち上げるときには、必ずしゃがんで物を手前に引き寄せてから持ち上げましょう。膝を伸ばしたまま身体を深く曲げて、持ち上げると、とても強い力が腰に掛かかります。
身体を反らして引き上げると、腰の負担が大きくなり、腰椎椎間板ヘルニアの遠因にもなります。物を運ぶときは、背筋を伸ばして身体の中心線にできるだけ近いところに物を持ってくると、背中から腰にかけての負担が少なくなります。
前かがみで抱えると重心が前に移り、バランスをとろうと上体を後ろへ反らしますから、背骨や腹筋に緊張をもたらせます。
●立っているとき、顎を引き、背筋を伸ばし、骨盤が前に傾かないようにする。
●座るときは、股関節と膝関節をそれぞれ直角に曲げて、足の裏がぴったり床につく状態に。
ときどき足を組むのもよい。
●長い立ち仕事は台に片足をのせてする。
立ちどおしの作業は腰に負担がかかり、腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすくします。家事をするときでも、片足を小さな台にのせて片膝を曲げるようにすると、腰が丸められて腰椎の後ろの部分が広がるので神経が圧迫されず、腰椎椎間板ヘルニアになりにくくなります。
●自動車の運転はシートを立てた状態にし、約1時間ごとに車外で軽い運動をする。
●ハイヒールは3センチ以下にする。
●腰痛ベルトを利用するのもよいでしょう。
腰椎への負担軽減だけでなく、正しい姿勢を維持し、腰を温める効果もあります。しかし、腰痛ベルトは正しく薄着しないと効果が出ません。つける位置が高すぎたり、背骨の位置とずれていたり、間違った装着をしていると効果がありません。